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いなべん(田舎弁護士) みのる弁護士法律事務所   「的外れ 2007年3月号より」

2016.11.07

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著者プロフィール

弁護士 千田 實 氏(ちだ みのる)

みのる法律事務所 所長

 雅号 青空浮世乃捨 

 

 

〜メディカルフードサービスとのつながり〜

MFSも賛助会員として参加しているNPO法人食事療法サポートセンターの理事として千田實先生も活動されております。

当社代表 松島は千田實先生の著書を読み、深く感銘を受け、少しでも多くの方に食事療法を長く続けて欲しいと思いニュースレターに抜粋記事として掲載していきます。

千田先生についてさらに詳しくはこちら→ http://www.minoru-law.com/profile.html

 

 

 

サイレントキラー(静かな殺人者)

 

ある中年女性がクライアント(依頼者)として事務所にみえました。夫を3年前に亡くしたとのことでした。

休日で夫が朝寝していたので、すやすや寝ている寝顔を確認して外出し、戻ってきたところ、夫は布団の中で死んでいた、とのことです。

 

死因は急性心筋梗塞ということでした。満56歳だったそうです。その夫は、10年くらい前より糖尿病で治療を受けていたとのことです。しかし、死の直前には特別体調が悪いということもなく、とても突然死ぬなどということは考えられなかったとのことです。

 

平成17年(2005年)1月のことでした。67歳の男性を証人として尋問しました。とても67歳には見えない、若々しい方でした。2時間ほどの尋問にもてきぱきと答え、私より年上ですがそのような様子は全くなく、「年上でも、こんなに若い人もいるんだな」と感心していました。

 

2日後にその男性の息子さんから電話があり「親父が、脳出血で倒れた」とのことでした。 あれから丸2年以上が経過しましたが、その男性は今でも車椅子生活であり、話すこともままならない状態となっています。若々しかった面影は全くなくなり、病気の老人そのものです。家族の介護は不可欠です。脳出血による後遺症ということです。

 

長い間お付き合いいただいていた社長さんが「自分は、長くはない。資産、負債の整理をしたいので一任したい」と言って来所したのは平成16年(2004年)2月のことでした。その社長さんは、「2年くらい前から腎不全のため透析をしている。最近体調が悪い」という話でした。顔が黒ずんでいたのと、手の甲が真っ黒だったことが強烈な印象となって私の脳裏にこびりついています。

2年後の平成18年(2006年)2月に亡くなりました。直接死因はわかりませんが、腎不全が基本的な疾患であったことは間違いありません。

 

心臓病、脳卒中、腎不全は、いずれも重篤な疾患です。これらの病気になってしまいますと、命そのものを失うか、命は助かったとしても車椅子生活や半身不随や透析に至ってしまいます。

 

これらの病気は、いわば生活習慣病のゴールとも言うべきものです。ゴールですから、必ずスタートがあるはずです。そのスタートは、糖尿病、高血圧、高脂血症などのいわゆる生活習慣病です。スタートがなければゴールはないのですから、スタートしないように気をつけることが、ゴールに至らないで済む最大の方法ということになります。

去る3月20日の出浦教授の診察日において、体重が2kgほど増えていました。そのことに話が及んだので「体調はすこぶるよい」と話したところ、出浦教授は笑いながら「千田さんほどの人がわからないはずはないが、生活習慣病は、サイレントキラーです。自覚症状が出たら、もう相当進んでいる」と言われました。

 

「サイレントキラー」を直訳すれば「静かなる殺人者」、とか「音のない殺し屋」とかになりそうです。

生活習慣病は、まさしく「サイレントキラー」です。静かに近づいてくるのです。そして、突然心臓病や脳卒中や腎不全となって襲ってきます。

 

『減量で、糖尿病と高血圧が治った――生活習慣病は、患者も主治医』では、未だ勉強不足もあり、また紙面の都合もあり、心臓病、脳卒中、腎不全についてはあまり詳しく書きませんでしたが、次回作として準備中です。ここでは、心臓病、脳卒中、腎不全は自覚症状が出たら手遅れとなってしまうので、その前に対策を立てなければならないことを強調しておきたいと思います。

 

「サイレントキラー」は、①糖尿病、高血圧、高脂血症 ②動脈硬化③心臓病、 › › 脳卒中、腎不全という順序でやってきます。①を予防することが大事なこととなります。しかし、①や②の段階では自覚症状がほとんどないのです。③になって初めて自覚症状が出るわけですが、それではもう手遅れです。だからこそ 「サイレントキラー」と呼ばれるのです。

 

「サイレントキラー」が忍び寄っているかどうかを知るためには、設備の整った病院で検査を受けることが何よりも大事です。私は月に1回、永仁会病院で検査を受け、その検査結果に基づき事細かく食事や運動や仕事について指導を受けています。おかげで順調に人生を楽しんでいます。

 

検査を受けるのはいろいろな事情で難しいという人は、自分が太りすぎているかどうかを確かめて下さい。もし太りすぎだと思えるときには減量して下さい。減量のためには、食事制限と適度な運動が必要です。それを積み重ねることによって 「サイレントキラー」を遠ざけて下さるようお願いいたします。 なお、太りすぎている人はもちろん、そうでない人でも、血糖値が高いとか、血圧が高いとか、コレステロール値や中性脂肪値が高いなどと注意を受けたことがある人は、専門医の検査・指導を受け、早め早めの対策を講じて下さい。

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