鍋にも人気!豆乳の栄養とその効能
2021.01.19
寒い日が続くと食べたくなる料理ナンバーワンの「鍋」
最近は簡単に鍋の味付けを変えられる鍋の素があって、簡単に色々な鍋を楽しめますよね。その鍋の素の中でも「豆乳」は人気のある鍋のようです。今回はその「豆乳」って実際どんな栄養が含まれているの?ということで解説していきたいと思います。
豆乳の特徴
豆乳とは
豆乳とは、大豆が原料の飲み物です。
JASでは、豆乳とは『大豆から熱水等によりたんぱく質その他の成分を溶出させ、繊維質を除去して得られた乳状の飲料(「大豆豆乳液」と言う)であって、大豆固形分が8%以上のもの』と定義されています。この豆乳を加熱し、凝固剤(にがり)を加えると豆腐になります。
豆乳の種類
豆乳は「無調整豆乳」「調整豆乳」「豆乳飲料」の3つに分けられます。
大豆固形分の割合によって区別がされています。
- 豆乳:「大豆固形分8%以上」
- 調製豆乳:「大豆固形分6%以上」
- 豆乳飲料:「大豆固形分2%以上」
豆乳(無調製)はその名の通り、調味料や飲みやすさなどに配慮したわけでなく、そのまま何も調整していない豆乳のことです。この無調整豆乳に少々の塩や砂糖などで飲みやすくしたのが調製豆乳。この調製豆乳に果汁や紅茶(フレーバー)などで味付けしたものが豆乳飲料です。食品栄養成分表でも違いを確認してみましょう。
豆乳の種類による栄養成分の違い
エネルギー(kcal) | タンパク質(g) | 炭水化物(g) | 脂質(g) | 食塩相当量(g) | |
豆乳 | 46 | 3.6 | 3.1 | 2.0 | 0 |
調製豆乳 | 64 | 3.2 | 4.8 | 3.6 | 0.1 |
豆乳飲料 | 60 | 2.2 | 7.8 | 2.2 | 0.1 |
※日本食品標準成分表2015年版より
このようにタンパク質は豆乳(無調製)が一番多く、豆乳飲料になると少なくなります。また、飲みやすく調整するときに糖分を使うため、豆乳飲料や調整豆乳では炭水化物が多くなります。
豆乳に豊富に含まれる栄養成分とその効能
豆乳に豊富に含まれる栄養成分と効能
豆乳に含まれる豊富な栄養成分とその効能を紹介します。
・大豆イソフラボン
大豆イソフラボンは、女性ホルモンの「エストロゲン」に似た構造をしています。エストロゲンは女性らしい体つくりや自律神経の安定、コラーゲンの産生を促し美肌を保つなどの働きをします。
・肌の新陳代謝を促進
・コレステロールの増加を抑えて、動脈硬化を防ぐ
・骨を丈夫にする
・自律神経を安定させる
・丸みのある女性らしい体を作る
・周期的に生理を起こす
加齢によってエストロゲンの分泌量が減少することで「更年期障害」と呼ばれる体と心の不快な症状がみられることがあります。大豆イソフラボンを摂取することで更年期障害がみられにくくなったという報告があります。大豆イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンの代替えとしてのはたらきが期待できます。
・レシチン
脂質の一部であるレシチンはコレステロールを乳化して肝臓へと運び排泄させるため血流が良くなり、動脈硬化を予防する効果があります。またレシチンはビタミンA・ビタミンD・ビタミンE・ビタミンKなどの脂溶性ビタミンの吸収を助けます。
・サポニン
サポニンもレシチン同様に血液中のコレステロールや中性脂肪を排泄し、動脈硬化を予防する効果があります。また、サポニンには抗酸化作用があり活性酵素を除去し、がんや老化の原因となる脂肪の酸化を防ぎます。
・大豆オリゴ糖
オリゴ糖は腸内細菌のバランスを良くし、腸内環境を整える働きがあります。腸内に生息するビフィズス菌に利用され発酵し、大腸内が酸性になることで蠕動運動が刺激されます。また、大腸内が酸性になると他の有害菌の増殖が抑制されるため大腸がんの発生抑制作用があるともいわれています。
大豆オリゴ糖以外にもフラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖など原料によりいくつか種類があり他の食品からも摂取ができます。それぞれ特徴はありますが、お共通してオリゴ糖には腸内環境を整える働きがあります。
豆乳と「牛乳」の違いは?
豆乳に豊富に含まれる栄養成分が分かったところで、豆乳と似ている食品である“牛乳”とはどのような違いがあるのでしょうか。食品栄養成分表で栄養価の違いを見てみましょう。
牛乳と豆乳の栄養価(100g当たり)の違い
エネルギー(kcal) | タンパク質 | 脂質(g) | 炭水化物(g) | カルシウム(mg) | リン(mg) | 鉄(mg) | コレステロール(mg) | |
牛乳 | 67 | 3.3 | 3.8 | 4.8 | 110 | 93 | 0.02 | 12 |
豆乳 | 46 | 3.6 | 2.0 | 3.1 | 15 | 49 | 1.2 | (0) |
※日本食品標準成分表2015年版より
エネルギーやタンパク質、脂質、炭水化物などの三大栄養素は牛乳の方がそれぞれ高くなっています。
特徴的な差があったのは「カルシウム」と「鉄」。
カルシウムは豆乳よりも牛乳の方に約7倍多く含まれます。牛乳と似ているからといって豆乳でカルシウム補給を考えていたのであれば要注意。
鉄は牛乳よりも豆乳の方に多く含まれます。ただ、豆乳に含まれる鉄分は非ヘム鉄という吸収率が低い鉄であるため、お肉などの動物性食品と野菜・果物に含まれるビタミンCを一緒に摂ることで吸収率が高まります。
他にも、豆乳はコレステロールをほぼ含みません。私たちが摂取しているコレステロールの殆どは「動物性食品」からです。そのため、コレステロールが気になるという場合は牛乳ではなく豆乳を選ぶと良いでしょう。
このようにどちらの食品も私たちの身体に必要な栄養素を含みます。「豆乳」と「牛乳」どちらが良いかではなく摂りたい栄養に合わせて使い分けていけると良いですね。