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いなべん(田舎弁護士) みのる弁護士法律事務所  「的外れ 2015年7月号より」

2017.10.31

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「長生きを楽しむ仲間(NTN)」①

 

〇はとバスに乗り合わせた客

家内も私も「はとバス」が好きです。特に、はとバスで東京の下町を巡るのが好きです。江戸情緒を楽しみながら、「どじょう」を食べるコースとか、「むぎとろ」を食べるコースなどは何度も楽しみました。東京湾内をクルーザーから眺めながら、ワインとフランス料理やイタリア料理を味わうコースも2、3度体験しました。

乗り合わせた方々は、どこのどなたか、それまでは一面識もない方ばかりです。ですが、はとバスに乗り合わせている間は、はとバスの遊覧を一緒に楽しむ仲間です。

はとバスに乗り合わせた客は、それまでは互いに何の関係もなく、仕事上の損得も、恨みつらみもありません。勿論「仲間」という関係にはなかった方です。ですが、「今日1日は、はとバスを楽しむ」という共通点があります。その意味では、同じ目的で一緒に行動している仲間です。「仲間」とは、一緒に何かをする間柄です。

数時間、同じ目的を持って一緒に行動するということは、何と素晴らしい縁でしょうか。それまでは一面識もなかったのですが、仲間意識が芽生えてきます。互いに体を引っ込めて通路を作り合ったり、席を譲り合ったり、物を手渡し合います。短時間ですが、協力し合ってはとバスを楽しみ、バスが東京駅前に戻ったら、「さようなら」と挨拶をして二度と会うことはありません。

「人生における人付き合いは、ここに凝縮している」と思うことがあります。夫婦でも親子でも、同じだと思うようになっています。夫婦、親子関係と、はとバスで乗り合わせた客との関係で違うのは、「一緒に行動する時間の長短」にあるだけだと思うことがあります。

そして、どのような人間関係であれ、はとバスで乗り合わせた客仲間の関係が理想ではないかと思うことがあります。

つまり、「数時間一緒に、はとバスを楽しみ尽くす」という同じ思いで乗り合わせた仲間と、夫婦、親子のように「一生の間、一緒に人生を楽しみ尽くす」という仲間は、根本において同じだと思うようになりました。

「旅は道連れ」という関係なのです。その道中が短いか、長いかの違いはありますが、一緒に楽しむという点では同じなのです。

 

つづく

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