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いなべん(田舎弁護士) みのる弁護士法律事務所  「的外れ 2015年7月号より」

2017.11.07

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「長生きを楽しむ仲間(NTN)」③

 

〇もったいない

「もったいない」という言葉は、「ものの値打ちを無駄にしてはならない」という気持ちを表します。いい言葉です。私は好きな言葉です。身の回りには「もったいない」と思うことがたくさんあります。

昭和17(1942)年生まれで、3度の食事にも事欠く少年時代を送った身としては、飽食時代と言われて長い時が過ぎましたが、いつも「もったいない」という思いの連続でした。今なお、そう思うことが少なくはないのです。

「大根の葉っぱを捨てるのはもったいない」、「秋刀魚の内臓や頭を捨てるのはもったいない」という具合です。

大根の葉っぱにこそ、旨みと栄養がある。秋刀魚の内臓にこそ、旨みが凝縮している。頭まで食べれば、カルシウムがたっぷり摂れる。それを捨てるのは「もったいない」のです。

お袋は、大根の葉っぱも味噌汁に、漬物に、そして炒め物に使っていました。

秋刀魚は、塩を振って頭からしっぽまで丸ごと焼いて出していましたが、私は内蔵が一番好きです。ぶつ切りにして、内臓も頭もしっぽも入れて煮付けてくれました。佃煮には、頭もしっぽも入っていました。頭も必ず食べました。頭は結構旨いのです。

欠食児童だった体験から、「もったいない」という言葉は、特に食べ物に関して実感することが多かった気がします。

ですが、今回は「長生きを楽しむ達人」の体験を埋もれさせてしまうことこそ、「もったいない」ことだと気づきました。

これは、「大根の葉っぱ」や「秋刀魚の内臓や頭」を捨てることなどとは比べられないほど、もったいないものなのです。「金科玉条」、即ち人間が生きていく上での心のよりどころとなる、たいせつな教えを捨てることになるのです。

これ以上「もったいない」ことは、この世にはないのです。これを捨てたら、「もったいない」の神に叱られてしまいそうです。

 

つづく

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