私の腎臓大丈夫?腎機能がわかる検査値を分かりやすく解説

2019.05.21

腎臓病
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腎臓に関する検査値まとめ

 

腎機能に関係のある血液検査項目と基準値を紹介します。ご自身の検査結果と比較してみましょう。

 

Cr(クレアチニン)

→男性0.65~1.09mg/dl女性0.46~0.82mg/dl

クレアチニンは、筋肉中のタンパクが分解されてできる代謝産物です。クレアチニンは、腎臓でしか排泄できないため、腎機能が低下すると上昇します。腎臓そのものの働きを知ることができる数値です。腎不全患者の透析を導入する時期の目安にもなります。また、タンパク質を摂りすぎや、クレアチニン含有のサプリを摂取すると影響を受け、血中クレアチニン値が高くなります。

 

 

BUN(尿素窒素)

8~22mg/dl

血液中の尿素に含まれる窒素分のことをいいます。腎機能をみる場合、この「尿素窒素」と「クレアチニン」を同時に測定し評価します。腎機能が多少低下しても、尿素窒素はあまり変動しないため、尿素窒素値を単体でみるのではなく、クレアチニンやeGFRなどと一緒に評価します。食事と密接に関係している数値で、タンパク質を摂りすぎると上昇します。

 

 

eGFR(推定糸球体ろ過量)

90ml/分/1.73m2以上

腎機能や慢性腎臓病の重症度(ステージ)を評価する値です。

 

<慢性腎臓病の重症度分類>

腎機能 eGFR(ml/分/1.73m2) 重症度 GFR区分
≧90 正常または亢進 G1
60~89 正常~軽度低下 G2
45~59 軽度~中等度低下 G3a
30~44 中等度~高度低下 G3b
15~29 高度低下 G4
<15 または透析 末期腎不全 G5

参照)CKD診療ガイド2012

 

 

尿酸(UA)

男性3.7~7.8mg/dl、女性2.6~5.5mg/dl

プリン体の代謝産物で、痛風の原因となる老廃物。血液によって腎臓に運ばれ、尿によって排泄される。腎臓の排泄障害によって血中濃度が上昇。

 

 

カリウム(K)

→3.6~4.8mmol/l

腎臓からの排泄障害によって血中濃度が上昇します。高カリウム血症は、脱力感や不整脈、心不全の原因となるため注意が必要です。今まで紹介してきたクレアチニン(Cr)、尿素窒素(BUN)、eGFRなどの腎機能の数値に異常があり、カリウムの数値が高い場合は、腎臓からの排泄障害でカリウムが上昇していることが考えられます。カリウムだけが上昇している場合は薬や他疾患による影響が考えられます。

 

 

リン(P)

2.7~4.6mg/dl

腎臓からの排泄障害によって血中濃度が上昇。高リン血症では、リンが体内に蓄積することによって骨がもろくなり、動脈硬化を促進させる。

 

 

腎臓病の方はもちろん、腎機能低下を指摘された方、特に何も指摘されていない方も一度数値を見直してみてはいかがでしょうか。日本人の8人に1人は慢性腎臓病と言われています。腎臓の働きは加齢とともに徐々に落ちていくものですので健康な時から、減塩など食事に気を付けて腎臓を守りましょうね。

 

 
 
 

情報提供元:メディカルフードサービス 管理栄養士

 

 

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