腎臓病で痩せると逆効果!?カロリー摂取が必要なワケ
2019.05.27
腎臓病
「慢性腎臓病でタンパク質制限の食事療法を始めたら、痩せてしまったのだけどどうしたらいい?」とご相談がありました。
タンパク質を制限していると、知らず知らずのうちに食事全体のエネルギー摂取量が減り、急激に体重が減少してしまっている方も少なくありません。
エネルギー摂取量が不足すると体の組織を燃焼し、タンパク質を摂りすぎた時と同じように老廃物が生じ、腎機能を低下させてしまいます。そのため腎臓病の食事療法では十分なエネルギー量を確保した上でタンパク質を制限することが必要です。
■エネルギーを高める調理法
ではどのようにエネルギーを確保すればよいのでしょうか。
下記に調理例を示しました。タンパク質の制限があるため、炭水化物と脂質からしっかりとエネルギーを摂りましょう。
例
≪卵1個≫
★ゆで卵60kcal→目玉焼き120kcal+(油6g)→スクランブルエッグ210kcal(油10g+砂糖10g+牛乳20g)
≪ご飯120g≫
★ご飯200kcal→ピラフ320kcal+(油12g+にんじんピーマンマッシュルームなど)
≪りんご200g≫
★りんご110kcal→コンポート250kcal+(粉あめ10g+砂糖25g)
油脂類、砂糖(はちみつ・水あめ)、でんぷん類(春雨・くず・くずきり・片栗粉)などタンパク質を殆ど含まず脂質や糖質の多い食品を使用して、油で揚げる、ドレッシングやマヨネーズで和える、バターで香りつけをするなど不足のエネルギーを補いましょう。血中の中性脂肪が高いときは、油はバターなどの動物性油脂ではなく、オリーブオイルなどの植物性油脂を用いると良いでしょう。
管理栄養士