血糖値とHbA1cの違いを知っていますか?
2019.07.17
糖尿病または糖尿病予備軍で血糖を気にされている方が確認する検査項目として、まず挙げられますのが「血糖値」かと思いますが、他にも確認したい項目があるのはご存じでしょうか。それがHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)です。同じ血糖を反映する指標ですが、大きく異なる点があるのは知っていますか?
■ HbA1cとは
● HbA1c 基準値:4.7~6.2%
ヘモグロビンエーワンシーと読みます。これはヘモグロビン(Hb)と血中のグルコースが結合したもので、血糖値が高いほど血液中のHbA1cも多くなります。HbA1cは血糖値と比べて日々の変動が少なく、直近の食事に左右されず、過去1~2か月の血糖の平均が分かります。そのため、検査の前の日だけ食事に気を付けても数値はすぐには下がりません。
またHbA1cは血糖値が糖尿病型で、6.5%以上あれば、糖尿病の診断となるなど診断の際の指標にもなります。また、糖尿病の方の血糖コントロールの目標もHbA1cが指標となっています。
■ 血糖値とHbA1cの関係
血糖値とHbA1cを合わせて確認することで食事療法を含めた治療がしっかりできていたか読み解くことができます。
例えば・・・
Aさん「血糖値は上がったが、HbA1cは下がった」
→Aさんは、HbA1cが下がったとのことで、前月~今月の食事療法がしっかりとできていたことが考えられます。しかし、血糖値は上がってしまったということで、前日や検査前に炭水化物が多いものを食べすぎてしまったのかもしれません。
もうひとつ考えられるのが、低血糖の頻度が多かった場合です。低血糖になった分、血糖値の平均値が下がるため、HbA1cは低下します。しかし血糖の波が大きいと血管に負担がかかるため、良い下がり方とはいえません。
どちらのパターンだったかは過去の食事などを振り返るとご自身で把握ができるのではないかと思います。
Bさん「血糖値は下がったが、HbA1cは上がった」
→Bさんは検査前のみ食事に気をつけていたのかもしれません。血糖値は検査前夜から絶食していれば普段より数値は下がります。しかしHbA1cは過去1~2か月血糖値の平均を表すため、HbA1cが上がったということは継続的に食事に気を付けることはできていなかった、まとめ食いや炭水化物の多いものを多く摂っていたのかもしれません。もしくは薬の飲み忘れが多かったなどなど…。
このように血糖値だけでなく、HbA1cと血糖値と両方確認することで、検査結果が前日や直近の食事が影響しているだけのものなのか、過去の積み重ねが影響している結果なのかはある程度分かってしまいます。知らなかった!という方はぜひご自身の検査結果と食事を見比べてみてください。
情報提供元:メディカルフードサービス 管理栄養士