動脈硬化性疾患が進行しやすい高リスクの仮面高血圧とは

2019.08.19

高血圧
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2017年の厚生労働省の患者調査によると日本人のおよそ994万人の方が高血圧であると言われています。

しかし、高血圧といっても成因によって、「本態性高血圧」「二次性高血圧」と2種類あるということをご存じでしょうか。

また、血圧の現れ方によって「白衣高血圧」「仮面高血圧」というのもあります。今回はその『高血圧』の種類についてお話します。

 

高血圧といっても色々

 

本態性高血圧とは?

日本人の85~90%は、原因がはっきりしない本態性高血圧と言われています。

血圧が高い状態が持続する病態で、遺伝や食生活、肥満、飲酒、ストレスなどの原因が特定できない高血圧をいいます。

 

二次性高血圧とは?

一方、高血圧をきたす原因が明らかな場合を二次性高血圧といいます。高血圧症全体の10~15%は二次性高血圧と言われています。

二次性高血圧で最も患者数が多いのが「原発性アルドステロン症」という疾患です。この疾患は体内のナトリウムと水を増やす作用があるアルドステロンというホルモンが過剰に分泌され、高血圧が生じる病態です。体内のナトリウムが増えるため、逆にカリウムが排出されてしまい低カリウム血症となってしまいます。食事では塩分制限とカリウムの摂取が必要になります。

成因によって高血圧も色々ありますが、どちらも減塩が必要という点に変わりはありません。

 

 

白衣高血圧と仮面高血圧とは

 

白衣高血圧とは?

その名の通り、白衣高血圧とは家庭では正常な血圧が病院で白衣の医師や看護師を前にするとドキドキ緊張してしまい血圧が上がるという高血圧です。

たしかに病院ではこのあとどんな検査や処置をされるのか・・・考えると血圧も上がりそうですよね。

白衣高血圧の場合は、家庭では正常血圧のため特に治療などは必要ありません。

 

仮面高血圧とは?

一方、仮面高血圧とは白衣高血圧とは逆で、家庭では高血圧なのに病院では正常な血圧になる人のことを言います。

検査に引っかからなくてラッキー!

 ・・・なんて思ってしまいますが、仮面高血圧の方は脳心血管疾患が一般的な高血圧の方より早く進行してしまうなど怖い一面があります。

そのため、日ごろから家庭で血圧を測り、血圧手帳に記録をしましょう。

 

 

どの高血圧でも減塩は必要

どうだったでしょうか。高血圧といっても、成因や現れ方に違いがあるということがおわかりいただけましたか。

ただ、食事療法に大きな違いはなく殆どの場合で減塩食事療法が必要なことは忘れてはいけません。

 

そして、高血圧の方は血圧手帳をつけることをお勧めします。

仮面高血圧の症状である「普段は高血圧なのに、病院では正常域だった」ということがありましたら、血圧手帳を医師にみせて仮面高血圧に気付けるようにしましょう。

 

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