薬との飲み合わせが気になる!ビタミンKが多い食品一覧
2019.09.02
ビタミンKにはビタミンK1(フィロキノン)とビタミンK2(メナキノン)の2種類あるのはご存じですか。
ビタミンKは食事からの摂取と、ビタミンK2(メナキノン)は微生物によってもつくられ、体内の腸内細菌によって合成されます。そのため、通常は欠乏症がおこりにくいビタミンです。また、大量に摂取しても毒性は認められておらず、「日本人の食事摂取基準」でも耐用上限量(この量を超えて摂取した場合、過剰摂取による健康障害が発生するリスクが生じる量のこと)は定められていません。そのため、不足しているか摂りすぎているのか、普段はあまり意識することがないビタミンですね。
■ とはいえビタミンKが欠乏する人も・・・
先程も説明したように、ビタミンKは食事からの摂取と腸内細菌も合成ができるため、欠乏症は殆ど生じません。しかし、新生児や乳児、高齢者などでは欠乏してしまう場合があります。新生児や乳児は、腸内細菌が未熟で、母乳中のビタミンも少ないため、ビタミンKが欠乏し、頭蓋内出血や新生児メレナ(消化管出血)を起こす可能性があります。そのため、新生児にはビタミンK2のシロップ投与が行われます。
また、抗生物質を長期にわたり投与することで腸内細菌が死滅し、ビタミンKが欠乏する可能性があります。
■ ビタミンKと薬の飲み合わせについて
ビタミンKは、肝臓におけるプロトロンビン(血液凝固をする因子)の生合成に関与するため、血液凝固に重要なビタミンです。不足すると血が止まりにくくなります。
また、この血液凝固の作用と関係の深い、血栓を防ぐ薬に「ワーファリン」という血液をサラサラにする薬があります。ワーファリンはこのビタミンKの作用である血液を固まらせる働きを抑えて、血栓を防ぎます。そのため、ビタミンKを大量に摂ってしまうとその薬の効果が弱まってしまいます。ワーファリンを服薬している方がビタミンKが多く含まれる食品を控えるように言われるのはこのためです。
ワーファリンを服薬している方は、特にビタミンKを多く含む「納豆・クロレラ・青汁」などは控えるようにしましょう。ほうれん草などは一度にたくさんは食べられないため、ビタミンKの多量摂取につながることは少ないと考えられます。
また、ビタミンK2は骨の形成に必要とされ、日本では骨粗しょう症の治療薬(メナキノン-4)としても用いられています。
ではどのような食材に多く含まれるのでしょうか。
■ ビタミンKが多く含まれる食品
・ビタミンK1(フィロキノン)
多く含まれる食品>>モロヘイヤ、春菊、ほうれん草などの緑黄色野菜、クロレラ、青汁
・ビタミンK2(メナキノン)
多く含まれる食品>>納豆、チーズなどの発酵食品
ビタミンKは油に溶けるビタミンなので、油と一緒に摂ることで吸収率がアップします。
さて、どうだったでしょうか。ビタミンKについての理解は深まりましたか。骨を丈夫にしたい方や、長い期間抗生物質を使っていた方は意識して摂れるといいですね。
管理栄養士