減塩するにはどの醤油?醤油の種類と選び方まとめ
2019.07.26
減塩しましょうと言われたらまず何を減らそうと考えますか。
多くの方は塩や醤油などのしょっぱい、辛い調味料の量から減らそうと考えると思います。日本人の1日の塩分摂取量の約7割は調味料からの摂取となっています。特に醤油や塩、味噌からの摂取が多いです。
今回はこの中の『醤油』についてお話します。減塩するには「醤油」を知るところから始めましょう。
醤油といっても数種類あるということをご存じでしょうか。
■ 醤油の種類と特徴
醤油は日本農林規格(JAS)があり、定義から規格、表示まで定められています。種類は濃口(こいくち)醤油、淡口(うすくち)醤油、溜(たまり)醤油、再仕込(さいしこみ)醤油、白(しろ)醤油の5種類があります。それぞれの特徴をお話しします。その特徴や塩分量から用途によって使い分けましょう。
濃口醤油(こいくちしょうゆ)
塩分濃度:16~18%
日本で使用されている一般的なしょうゆで全国の消費量の約80%を占めます。関東で発達し、色は明るい赤褐色です。
淡口醤油(うすくちしょうゆ)
塩分濃度:18~19%
主に関西地方で消費される淡色の醤油で、もろみの塩分濃度を高く、醸造期間を短くし、火入れの時も過熱を避けるなど全工程で色の濃化を抑えて製造しています。色が薄いからといって塩分量が少ないわけではなく濃口しょうゆより塩分量は多くなっています。
溜醤油(たまりしょうゆ)
塩分濃度:12~13%
こいくちしょうゆやうすくちしょうゆは大豆と小麦をほぼ等量用いるのに対し、たまりしょうゆはほとんど大豆と食塩水のみで作ります。とろりとしたコクが特徴で、色は濃く、味は濃厚です。照り煮や煮物、せんべいに適しています。
再仕込醤油(さいしこみしょうゆ)
塩分濃度:11~13%
仕込みを2回繰り返すため、「再仕込みしょうゆ」といわれます。色や成分が濃厚で、蒲焼のたれや刺身のしょうゆなどに用いられます。
白醤油(しろしょうゆ)
塩分濃度:13~14%
小麦を多く用い、薄く淡白な味で特有の香りがあります。素材の色を生かしたいときや茶碗蒸しなど薄色に仕上げたいときに使います。
〔醤油小さじ1(6ml)の塩分量〕
調味料 | 小さじ1の塩分量 |
こいくちしょうゆ | 0.9g |
うすくちしょうゆ | 1.0g |
たまりしょうゆ | 0.8g |
さいしこみしょうゆ | 0.8g |
しろしょうゆ | 0.7g |
このように製造方法や原料、地方によってしょうゆには違いがあります。
しょうゆの中では「薄口醤油」が一番塩分量が多いことが意外だったという方も多いのではないでしょうか。醤油自体の色が薄く、名前も「うすくち」なので塩分量が少ないと思ってしまいますよね。知らなかった方は気を付けましょう。
また、このほかに特殊な醤油として、「減塩醤油」があります。最近は健康増進のためや高血圧、心疾患、腎疾患などをお持ちの方で、減塩醤油を使っているという方も多いのではないでしょうか。減塩醤油は手軽に減塩できますが、使いすぎてしまうと塩分摂取量が増えてしまい、「減塩」の意味がなくなってしまうため注意が必要です。また、減塩しょうゆでは、ナトリウムが少ない代わりにカリウムが多くなっていることがあります。腎臓病でカリウムを制限している方は、必ずカリウム表示を確認しましょう!
さてどうだったでしょうか。上手くしょうゆを使い分けて、自分に合った方法で減塩を続けましょう。
情報提供元:メディカルフードサービス 管理栄養士