減塩と「DASH食」で高血圧改善効果が最大化!DASH食とは?

2020.11.18

高血圧
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生活習慣病のひとつである「高血圧」

血圧とは、血管壁に与える血液の圧力のことをいいます。高血圧状態が続くということはそれだけ血管壁に圧がかかっているということであり、血管の内側が傷ついてしまいます。

血管の内側が傷つくだけでは特に自覚症状がないため、高血圧って何が悪いのだろう…と思っていませんか。

血管が傷つくことで血管の弾力がなくなります。この状態を動脈硬化といい、動脈硬化が進むことでさらに血圧が上昇するといった悪循環に陥ります。血管は全身に張り巡らされされているため、動脈硬化が進むことであらゆる病気にかかるリスクが上がります。例えば狭心症や心筋梗塞などの心疾患、脳梗塞など。そのため、高血圧は放っておくと恐ろしい病気なのです。

 

DASH食とは?

 

高血圧というと、「減塩」していればOK!と思っていませんか。

たしかに今より塩分を1g減らすことで収縮期血圧が1mmHg低下するといわれていますが、減塩と「DASH食」を組み合わせることでさらなる降圧効果が見込めます。

DASH食とは、”Dietary Approaches to Stop Hypertension”の略でアメリカで考案された高血圧を防ぐ食事療法を指します。多くの高血圧治療ガイドラインでも取り上げられ、DASH食に準じた食事療法が推奨されているため、しっかりと根拠ある食事療法なのです。

 

DASH食とは食塩以外の弱い降圧効果がある「カリウム」、「マグネシウム」、「カルシウム」、「食物繊維」を組み合わせ、同時に飽和脂肪酸と食事性コレステロールなどの脂肪制限をすることで降圧効果を最大化させる、いわゆる「組み合わせ食」のことをいいます。

カリウムやマグネシウム、カルシウムなどの単体の栄養素でも弱く降圧作用はありますが、これらを組み合わせることでさらなる降圧効果が期待でき、それに減塩を組み合わせることで最大の降圧効果が得られることが報告されています。

 

 

DASH食の実践方法

 

「カリウム」、「マグネシウム」、「カルシウム」、「食物繊維」を組み合わせて食事を摂るにはどういった食品を摂れば良いのか紹介します。

 

積極的に摂りたい食品

 

・野菜

野菜の中でも色の濃い“緑黄色野菜”を積極的に!

・果物

缶詰やジャムなどではなく生の果物を摂りましょう。特にバナナやキウイはカリウムが多くお勧めです♪

・低脂肪乳製品

生クリームやバターではなく、ヨーグルトや牛乳などを摂りましょう。低脂肪タイプだとより良いです。

・魚介類

魚の中でも鯖やさんま、ブリなど青魚にはn-3系脂肪酸が豊富に含まれています。n-3系脂肪酸には血圧低下、血栓予防などの作用があります。

・大豆製品

納豆や豆腐などの大豆を加工して作った食品も積極的に摂りましょう。

・海藻類

食物繊維が豊富な海藻は、サラダや味噌汁に入れるなど簡単にとり入れることができます。

・種実類

アーモンドなどのナッツにはマグネシウムが豊富に含まれています。塩分を含まない「素焼き」のものを選びましょう。

 

普段食べている食事の中でこれらの食品の比率を増やして、さらに減塩も行うことでより降圧効果が期待できます。

 

 

DASH食はメリットがたくさん

 

「減塩は味気なくてなかなか続かない…」
「濃い味に慣れてしまっていて、減塩がつらい…」

 

もともと濃い味に慣れてしまっていると、薄味に慣れるまでがとてもつらい期間になりますよね。このような悩みを持つ方も「DASH食」であれば食品の組み合わせを変えるだけで実践できるため、ストレスが少なく、続けやすいといったメリットもあります。

DASH食にさらに減塩ができるとより良いのですが、減塩を続けるのが難しい場合はどちらか実践しやすい方から始めてみるのはいかがでしょうか。

 

※注意点※
腎障害を伴っている場合、カリウムの排泄が上手くできず、DASH食では高カリウム血症をきたす可能性があります。そのため、この通りの食事療法が勧められない場合があるため注意しましょう。

 
 

情報提供元:メディカルフードサービス 管理栄養士

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