サバ缶は生のサバより栄養豊富?サバの栄養について徹底解説!
2019.11.14
最近手軽に食べられる食品として人気の「サバ缶」。実際「サバ」にどんな栄養があるのか知っていますか。今回は、10月~12月の今の時期が旬のサバについて解説します。
■ サバの栄養について
サバは栄養満点ですが、どのような栄養素が多く含まれているのでしょうか。代表的なものを紹介します。
・良質なタンパク質
魚はタンパク質源ですが、そのタンパク質の質がとても良質です。サバのアミノ酸スコアはなんと100!アミノ酸スコアとは各アミノ酸が基準値に対して、どれくらいの割合で含まれているかを示すものです。100が最大値ですので、サバはタンパク質を効率的に摂ることができるお魚といえます。
・EPA、DHA
EPAとはエイコサペンタ塩酸、DHAはドコサヘキサエン酸のことです。これらは青魚に多く含まれる「油」のことです。詳しく解説すると必須脂肪酸(n-3系脂肪酸)の一種です。EPAとDHAの働きとしては、血液をサラサラにする・コレステロールや中性脂肪を下げる効果があります。さらにDHAは脳や神経の機能を助け、脳を活性化させるはたらきがあります。サバは青魚の中でもEPA、DHA量はトップクラスです!
・ビタミンD
サバには多くのビタミンも含まれますが、中でもビタミンDが豊富です。ビタミンDはカルシウムの吸収率を上げることで骨形成を促進させます。丈夫な骨づくりにもサバは良いということですね。
・サバのアミノ酸スコアは100!効率良くタンパク質を摂れる
・コレステロール、中性脂肪を下げるはたらきがある
・脳を活性化し、認知症予防に効果的
・ビタミンDが豊富であるため、骨を丈夫にする
■ 生のサバよりもサバ缶の方が栄養豊富!?
缶詰だと加工されているし、何かが減っているのではないか!?と思ってしまいますよね。しかし、缶詰にすることで、アップする栄養がたくさんあるので紹介します。
サバ缶のサバは骨ごと食べることができるため、カルシウムを多く摂ることができます。サバ缶のカルシウムはなんと生のサバの約43倍!
<サバ100g中に含まれるカルシウム(mg)>
食品 | 100g中のカルシウム(mg) |
サバ缶(液体は除く) | 260mg |
生のサバ | 6mg |
また、生のサバは焼く、煮るなどの調理過程でEPA、DHAが減少してしまいます。サバ缶であれば調理過程での損失がなく、しっかりとサバの栄養を摂ることができます。さらに、缶詰の汁にはサバのうま味や栄養が含まれているので、捨てずに一緒に食べると良いでしょう。
■ サバ缶の気になる塩分量
ただ、缶詰ですと保存や味付けをするために塩分量が多くなっています。
<サバ100g中に含まれる塩分(g)>
食品 | 100g中の塩分(g) |
サバ水煮缶 | 0.9g |
サバ味噌煮缶 | 1.1g |
生のサバ | 0.3g |
特に味噌煮缶は非常に塩分量が多いです。
ちなみに缶詰は1缶190gですので、味噌煮缶を1缶食べると2g程度も塩分を摂ることになります。
そのため、高血圧や心疾患、腎臓病など塩分に気を付けなければならない病態の方は、缶詰の常用は控え、なるべく生の魚を使用し、自分で調味料を使用し調整する方がよいでしょう。
味噌煮缶を使う場合は他の料理の塩分量に気を付けるなど配慮が必要です。特に味噌煮缶を使う場合は他の料理の塩分量に気を付けるなど配慮が必要です。缶詰を選ぶときも味噌煮缶ではなく、なるべく水煮缶を選ぶようにすると多少は良いでしょう。
また、秋~冬の脂ののったサバはEPA、DHAなどの脂肪酸は豊富ですが、その分「脂質」が多いということになります。消化に気を付けなければいけない人(消化管術後・膵炎)はあまり多く食べる際は注意が必要です。
・生のサバよりもサバ缶の方が、EPA・DHA・カルシウムなどの栄養が豊富
・サバ缶は塩分摂取量が多くなってしまうため、塩分に気を付けなければならない病態の人は、生のサバを使って調理する方がお勧め
さて、どうだったでしょうか。MFSでも主菜にサバを使った料理をお出ししています。魚の中でも栄養が豊富の「サバ」。ご自身にあった食べ方でサバの栄養を余すことなく摂って、健康増進・疾病予防に役立てましょう。
管理栄養士