しびれ調味料の「山椒」と「花椒」の違い
2019.07.24
今回は今話題のしびれる食材の『山椒』と、似ているようで違う『花椒』について紹介します。
山椒
山椒はミカン科の植物で、日本古来の背の低い落葉樹です。
中華のイメージがありますが、山椒は日本に昔からあるスパイスです。
木の芽と呼ばれる若芽は焼き物や煮物の彩りや飾りに、若い実はちりめん山椒や佃煮などの料理に、種やはじけた果実の皮や樹皮は乾かして七味唐辛子や粉末の調味料に、若葉は和食の彩り・香りづけに使われます。
また、山椒は花も食べることができ、花山椒として煮物や佃煮にすることができ捨てるところがない食材です。
うなぎにはなぜ山椒?
山椒といえばまず思い浮かぶのはうなぎですね。今や当たり前のように山椒はうなぎの蒲焼きにふりかけて使いますが、なぜうなぎには山椒なのでしょうか。
一点目は、うなぎの泥臭さを消すためです。うなぎは水質や餌によって泥臭さががあり、その臭みを消すために独特の香りがある山椒が用いられています。
二点目は、山椒は古くから生薬としても用いられており、山椒のしびれる辛味のもとであるサンショオールという成分が食欲の増進や胃腸の動きを活発にし、胃酸にはたらきかけ消化を助けます。脂肪分が多いうなぎを食べたときに消化を助けてくれるため、うなぎには『山椒』が今や当たり前となりました。
また、山椒には抗菌作用があり食中毒予防としても効果があります。
山椒を使うお勧めレシピ
・青魚+粉山椒
→さわら・ぶり・いわしなどの青魚と合わせることで、青魚特有の臭みを消してさわやかな味付けに仕上げることができます。粉山椒を焼く前に下味と一緒に漬けても良し、焼いた後にふりかけても良し。簡単に取り入れることができます。
花椒
山椒と同じような名前で花椒というスパイスがあります。中国読みで「ホアジャオ」、日本読みで「かしょう」と読みます。花山椒とは全く別物で、花椒はミカン科の植物で、中国原産の背の低い落葉樹です。
花椒は果皮を乾燥させた粉末で、四川料理で多く用いられるスパイスです。山椒は若葉、種、花など捨てるところがありませんが、花椒は果皮のみ料理で使うことができます。
花椒は麻婆豆腐や担々麺など唐辛子と組み合わせて使われ、しびれる辛さを引き出す役割で使われます。山椒よりも花椒の方が辛味や香りが強く出る特徴があるため、辛い料理が好き!という方は山椒より花椒がオススメです。
花椒を使うお勧めレシピ
・豆腐+花椒
→花椒はピリッとした辛さが特徴。豆腐はタンパクな味なので、ピリッとした辛さのある花椒とぴったり。定番の麻婆豆腐や、お鍋にいれても良し。
・油+しょうが+花椒
→ごま油やオリーブなどの油に、しょうがのみじん切りとホールの花椒を加えると、食欲そそる香ばしい香りのする常備調味料に。蒸し鶏や白身魚サラダなどのタレとして・唐揚げや餃子などにもどうぞ。普段は塩や醤油など塩分のある調味料で味付けするところに花椒をプラスすることで、塩分が少なくても香りや辛みで美味しく食べられるレシピに変身!
最近は『辛味』と若干違う、山椒や花椒を食べたときに感じる『しびれ』がブームとなっていて、しびれ料理を提供する飲食店やカップ麺、スナック菓子にも山椒や花椒味・風味といった商品が多く出ていますよね。
山椒や花椒といったスパイスは香りや辛さがあるため、醤油や塩が少なくとも美味しく食べることができ減塩にもつながります。
ぜひご家庭でも調味料として山椒や花椒を揃えてみてはいかがでしょうか。
情報提供元:メディカルフードサービス 管理栄養士