朝食を抜くと太る?朝食・昼食・夕食の理想の比率
2020.09.23
忙しかったり、朝起きるのが遅くなったりしてしまうと、朝食ってどうしても後回しになりがち。食欲がなくて食べる習慣がないという方も多いのではないでしょうか。今回はその「朝食」についてなぜ食べるべきなのか、食べる場合はどのくらい食べたら良いのか、理想の朝食について解説していきます。
1日2食と3食どちらが良いのか?
さて、質問です。”1日3食を朝・昼・夕と均等に食べる場合と1日2食を昼と夕に食べる場合、つまり朝食を抜いた場合と血糖値はどちらの方が上がりやすいと思いますか?”
これは、何となく1日3食均等の方が良さそうだなというのは分かりますね。
1日2食の場合、空腹で血糖値が下がりきっている状態のときに食事を摂ることになるため、食後血糖値の上がり方が大きくなってしまいます。一方1日3食の場合は、血糖値が下がりきる前に食事をするため血糖値の急上昇を防ぐことができます。
血糖値が急上昇すると、血糖値を下げようとインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは血糖値を下げるほかにも、糖を中性脂肪に合成し蓄えるはたらきもします。そのため、インスリンを無駄に分泌させることは、体に脂肪をため込むことにもつながるのです。そのため、しっかりと朝食を摂って、1日3食食べる方が望ましいといえます。
朝食・昼食・夕食どのような比率で摂るべき?
また質問です。”1日のエネルギー量と糖質量を同じにして、食べる量を「朝食1・昼食1・夕食2」にした場合と、「朝食2・昼食1・夕食1」にした場合では血糖値の上がり方に差はあると思いますか?”
食べる量が同じなら、そこまで大きな差は出ないのではないかと思いますが、実際はどうなるのでしょうか?
実際に1日のエネルギー量と糖質量を同じにして、朝食中心の食事の群と夕食中心の食事の群に分けて、血糖の変化を測定した研究があります。
両者とも昼食量や食べ方は同じでも、朝食中心の食事の群の方が、昼食後の血糖上昇が小さかったという結果が得られています。
これは「セカンドミール効果」ともいわれており、GIの提唱者であるジェンキンス博士が1982年に発表した概念です。最初にとる食事(ファーストミール)が、次にとった食事(セカンドミール)の後の血糖値にも影響をおよぼすことを意味します。また、昼食のみならず夕食にまで影響を及ぼしたという研究結果もありました。
そのため、朝食をただ食べれば良いというわけではなく、3食の中でも1番ボリュームを多くすることで、昼食や夕食を食べた際に血糖値の変動が抑えることができるのです。血糖値の変動を抑えるということは、体に脂肪を溜め込みにくくすることにもつながります。
食事の中でも「朝食」はとても重要な役割を担っています。しっかりと朝食を食べましょうといわれるのにはこのような理由があったのですね。
まとめ
さて、いかがでしたでしょうか。食事の中でも「朝食」はとても重要な役割を担っています。しっかりと朝食を食べましょうといわれるのにはこのような理由があったのですね。
朝食を含めた食事の摂り方として大切なことは、1日3食しっかり食べて、血糖値の急上昇を防ぐこと。また、朝食はその後の昼食や夕食の血糖値の変動にも影響を与え、これをセカンドミール効果といいます。朝食・昼食・夕食は「2:1:1」程度のバランスで朝食を多めに摂ることで血糖値の変動を抑えることができます。血糖値の変動が小さいということは脂肪を溜め込みにくくすることと同義であり、血糖値の変動幅を小さくするために朝食はとても重要な役割を担っているのです。しっかりと朝食は食べましょうね。
情報提供元:メディカルフードサービス 管理栄養士