糖尿病発症予防にマグネシウムが有効?!
2019.09.25
「マグネシウム」って聞いたことはあるけど、あまり意識して摂ったことがないという方が多いのではないでしょうか。そもそもどんな食品に多いのやら…あまり馴染みのない「マグネシウム」ですが、私たちの身体では重要な役割を果たしており、糖尿病予防にも重要ということが最近の研究で分かってきています。
糖尿病予防にマグネシウムが有効!?
このあとにも説明しますが、マグネシウムには様々な働きがあり、「インスリン」という血糖を下げるホルモンの分泌を助ける働きもあります。
そのため、マグネシウムが欠乏した状態が続くと、インスリンの働きが悪くなる、分泌が上手く行えなくなります。インスリンが分泌されないと血糖が下がらないため、高血糖状態が続くことになり、2型糖尿病につながってしまいます。
マグネシウムの摂取量が多いと2型糖尿病発症リスクが10~35%低いという報告もあり、「糖尿病予備軍」の方は特に摂取したいミネラルといえますね。
今回は、糖尿病予防にも摂取したい「マグネシウム」について紹介します。
マグネシウムの役割
マグネシウムは、骨に全体の約60~70%、残りは歯や筋肉、脳、神経、体液に含まれており、カルシウムと同様に体内量が不足すると骨から供給されます。
マグネシウムは、エネルギー代謝をはじめとする約300種類もの酵素の働きを助けるために必要な栄養素です。そして、血管の筋肉を収縮、神経の興奮の抑制、体温や血圧の調整、リンやカルシウムなどとともに骨を形成する、血糖を下げるホルモンであるインスリン分泌のコントロールなど様々な働きをしています。
マグネシウムが欠乏すると…
そのため、欠乏するとマグネシウムは骨から遊離し、身体で役割を果たします。
長期にわたって欠乏状態が続くと、骨の形成に影響がでるほか、神経疾患、精神疾患、高血圧、不整脈などが生じます。
一方、過剰に摂取すると下痢が起こります。
このことを利用して一部の緩下剤(便秘薬)にはマグネシウムが用いられています。便秘気味の方は、薬を使う前に食品から積極的にマグネシウムを摂れると良いですね。
マグネシウムが多い食品
マグネシウムはクロロフィルという植物の葉などに含まれる緑色色素を構成する元素でもあることから、食品中では緑黄色野菜、海藻類、穀類、ナッツ類などに比較的多く含まれます。
では、具体的にはどのような食品に多く含まれているでしょうか。
・海藻類・・・あおさ、わかめ、ひじき、こんぶ
・大豆製品・・・油揚げ、納豆、がんもどき
・種実類・・・アーモンド、ゴマ、落花生
・魚介類・・・するめいか、煮干し、いわし、あさり、金目鯛
・野菜・・・しそ、ほうれん草
・果物・・・バナナ
日本人は全体的にマグネシウムが不足している状態です。マグネシウムが多い食品をみてみると、食物繊維も多い食品であることが分かります。加工食品ばかり食べている人・緑の野菜を食べない人は不足しているかもしれません。
糖尿病や生活習慣予防のためにもマグネシウムが多い食品を意識して摂ってみましょう。
情報提供元:メディカルフードサービス 管理栄養士