• ホーム
  • 公式ブログ
  • 糖尿病と他の病気がある時はどちらの食事療法を優先?疾患ごとに解説!

糖尿病と他の病気がある時はどちらの食事療法を優先?疾患ごとに解説!

2020.09.29

糖尿病
<友達にご共有いただけます>

 

糖尿病の食事療法は基本的に特別なことはなく、とにかくバランスの良い食事が基本となっています。バランスの良い食事とはとても簡単に言うと、主食+主菜1品+副菜2品程度で、野菜や海藻・キノコ類からしっかりと食物繊維を摂るような食事です。

分かりやすい食事療法ではありますが、これに他の疾患が加わることによってどのように食事を摂ったらいいのか分からないといった状況になってしまう場合もあるでしょう。

今回は糖尿病と何か他の疾患がある場合の食事療法について解説していきます。

 

 

糖尿病と腎臓病があるときの食事

 

腎臓病の進行具合にもよりますが、タンパク質制限・塩分制限を行います。少なくとも塩分制限は必要である場合が多いです。※個々の病態によってどちらを優先するのかは異なるので医療機関で確認しましょう!

進行具合によってタンパク質制限がどれくらい必要なのか異なります。タンパク質の制限が厳しい場合は、タンパク質を制限した分は糖質源からエネルギーを摂取する必要がありますが、この際に、砂糖や果物からではなく、ご飯やいも類などでんぷん製品で補いましょう。

これは、砂糖や果物とご飯やいも類では糖質の種類が異なり、ご飯やいも類の方がゆっくりと吸収されるためです。

⇒タンパク制限食へ

 

 

糖尿病と低栄養があるときの食事

 

高齢で小食であったり、別の疾患があって手術を行っていたりすると、低栄養に陥りやすくなります。そのため、低栄養が深刻な場合、栄養状態の改善を第一に考え、エネルギー・タンパク質を優先的に摂るような食事を心がけましょう。

小食で食事を残してしまうことが多い場合は、肉や魚などの主菜から先に食べるようにし、油を使った料理を取り入れましょう。

野菜やキノコ類など食物繊維が多い食材は、糖尿病患者の場合積極的な摂取が必要ですが、これらの食材はエネルギーが低く、かさも多いためすぐに満腹になってしまいます。そのため低栄養状態のときは摂取する優先度を下げましょう。

ただ、食後高血糖を防ぐためには食物繊維を多く含む食品の摂取は大変重要です。そのため、食事回数を1日5~6回の分食にすることで、血糖値の上昇を抑える対策を行うのが良いでしょう。

また、食事を全部食べ切れそうな場合は野菜→お肉や魚→ご飯 の順番に、あまり多く食べられない場合はお肉や魚→野菜・ご飯という炭水化物をいきなり摂取しないような順番で食事を摂ることで食後血糖値の急激な上昇を避けましょう。

⇒バランス健康食へ※またはやわらか栄養強化食など

 

糖尿病と高血圧心臓病があるときの食事

 

糖尿病の食事療法を基本とし、かつ塩分1日6g未満の減塩食を心がけましょう。特にカリウムやマグネシウムを多く含む食材を取り入れると、より降圧作用を高めることができるでしょう。

⇒塩分制限食へ

 

 

糖尿病と高コレステロール血症があるときの食事

 

糖尿病の食事療法を基本とし、かつタンパク質源の食材の種類を工夫しましょう。タンパク質源となる食材は肉や魚、大豆製品(豆腐や納豆)、卵、乳製品などです。この中で肉類や卵よりも魚や大豆製品を主菜とするメニューを増やすと良いでしょう。特に青魚に多く含まれるn-3系脂肪酸と野菜に含まれる食物繊維を一緒に摂ると効果的であるという報告もあります。

⇒カロリー制限食へ

 

 

さていかがでしたか。腎臓病の場合は腎臓病の食事療法に寄せていきますが、その他の糖尿病+生活習慣病の場合、基本的には糖尿病の食事療法がベースとなり、その中で摂取する食品を工夫していくような食事療法となります。糖尿病のコントロールが上手くいっていない場合その他生活習慣病に加え、網膜症や神経障害、腎症等合併症を引き起こすおそれもありますので、しっかりと食事療法を行って予防に努めましょう。

 

 

情報提供元:メディカルフードサービス 管理栄養士

<友達にご共有いただけます>