糖尿病の3大合併症について

2021.04.26

糖尿病
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糖尿病治療の目標は、血糖、体重、血圧、血清脂質の良好なコントロール状態を維持することで、糖尿病の合併症を予防し、健康な人と同様に充実した日常生活を送ることです。治療は食事療法や運動療法、薬物療法を組み合わせて行っていきます。

しかし、糖尿病は自覚症状に乏しいため、なかなか治療に積極的に取り組めないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

自覚症状がなくても、進行していくと症状が現れる糖尿病の「合併症」

糖尿病の3大合併症といわれているのが糖尿病網膜症」「糖尿病性腎症」「糖尿病神経障害」ですが、合併症になると治療が大変困難になります。そのため、日頃から血糖コントロールをしっかりと行っていくことが大切です。

それでは合併症についてみていきましょう。

 

 

糖尿病性網膜症とは

 

眼球の奥の眼底にある網膜は、見たものを脳に伝える重要な役割をもっています。糖尿病とは全く関係が無さそうに感じる「網膜」ですが、なぜ糖尿病が進行することで網膜症を合併してしまうのでしょうか。

網膜には多くの細い血管があり、高血糖状態が続くと糖が血管に障害を与えるようになります。目の網膜にある血管は細いため、障害を受けやすく、血管がもろくなったり、出血したりして、視力低下につながります。その状態がさらに進行することで、網膜剥離や緑内障を発症し、放っておくと失明してしまう恐れがあるのです。

この糖尿病性網膜症は糖尿病発症から~10年ほどで発症すること多いです。また、糖尿病網膜症は、成人後の失明原因の第2位といわれています。

血糖値が高い状態では多くの血管に負担がかかり、特に細い血管が集まる網膜は影響を受けやすいということなのです。

 

 

糖尿病性腎症とは

 

腎臓にある糸球体は細い血管の塊で、血液をろ過し、老廃物を尿として排泄する役割を担っています。腎臓も糖尿病とは関係が無さそうに感じる臓器ですが、なぜ糖尿病が進行することで腎症を合併してしまうのでしょうか。

腎臓の糸球体には、細小血管が多く集まっており、糖尿病で高血糖状態が続くことで血管が障害されてしまいます。血管が障害されることで、糸球体の血管が硬くなっていき、ろ過機能を果たせなくなっていきます。ろ過機能が低下することで浮腫みをきたし、通常はろ過されるタンパク質がろ過されずにたんぱく尿として出るようになるなど、腎臓機能が低下していきます。

透析患者の約4割は糖尿病性腎症由来であり、人工透析導入の1番の原因となっています。糖尿病性腎症は合併症の中では顕性化するのが一番遅く、糖尿病発症から10年かかるといわれています。

 

 

糖尿病性神経障害とは

 

全身に分布する神経は高血糖状態が続くと障害され、手足のしびれや痛み、さらには足の先や裏のしびれから砂利の上を歩いているような状態、たちくらみ、発汗異常などをきたします。全身に張り巡らされる神経と同じように血管も全身に張り巡らされているため、高血糖状態が続くことで毛細血管の血流が悪くなり、神経細胞に必要な酸素や栄養が不足し、様々な障害を引き起こします。

痛みやしびれなどの自覚症状がある人は約15%程度といわれていますが、自覚症状がない場合もあります。また、全身の神経の中でも「足」は感覚麻痺障害を起こしやすいといわれています。足の先や裏のしびれから砂利の上を歩いているような状態、チクチク刺すような痛みなど様々です。放っておくと、足の壊疽に進行してしまう恐れがあり、最悪の場合は足の切断が必要になる場合もあり、初期症状を見過ごさないことが大切です。

 

 

 

糖尿病は、ただ尿から糖がたくさんでる、血糖値が高くなるという単純な病気ではありません。血管は身体中にはりめぐらされており、高血糖状態が何年も続くと、細い血管が傷つき、様々な合併症を引き起こすのです。代表的な合併症として、網膜症・腎症・神経障害を挙げましたが、その他にも「足の壊疽」「動脈硬化性疾患(冠動脈硬化症・脳血管障害)」「歯周病」「認知症」などをあわせて7大合併症などといわれることもあります。

怖いのは合併症。合併症にならないように、「食事」でしっかりと血糖コントロールしましょう。

 

 

情報提供元:メディカルフードサービス 管理栄養士

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