管理栄養士が選ぶ!腎臓病でも食べられる間食(おやつ)
2020.03.13
たんぱく制限を始めると、「なんだか痩せてきてしまった」、「食事制限でどうしてもお腹がすいてしまう」という声をよく伺います。
今回はその悩みに対応できる腎臓病の方にお勧めの間食をご紹介します。治療用特殊食品として腎臓病の方向けのお菓子なども販売されていますが、栄養価を調整している分少々割高ですよね。実は市販のお菓子でも選び方に気をつければ十分対応が可能です。腎臓病の方でも食べられる市販で購入できるおやつを紹介します。
■ 腎臓病の間食の選び方のポイント
それではまず、どういったポイントに気をつけて選べば良いのか紹介します。
・卵や乳などタンパク質を使っていないもの
・原料がでんぷんや砂糖のもの
・果物が入っていないもの(果物缶はOK)
・栄養成分表示を見て1回量タンパク質1g以下が目安
■ 腎臓病の方にお勧めのおやつ
・おせんべい
揚げせんべい、焼きせんべいなど色々と種類がありますが、基本的にはお米からできているのでタンパク質は少ないです。エネルギーアップをしたい方は揚げせんべいを選ぶと良いでしょう。ただ、塩分が少々気になりますので、食事で塩分が多いものを摂ってしまった際には気をつけましょう。
<一般的なせんべいの栄養価>
エネルギー(kcal) | タンパク質(g) | 食塩相当量(g) | |
せんべい1枚(22.1g) | 42 | 0.9 | 0.39 |
・わらび餅・くず餅
わらび餅やくず餅の原材料は一般的にはさつまいもでん粉・くず粉などのでんぷんです。そのため、100g当たりのタンパク質は0.1gであり、タンパク質が少ないお菓子です。きな粉にはカリウムが多く含まれるため、かけ過ぎに注意して食べましょう。
<一般的なわらび餅の栄養価>
エネルギー(kcal) | タンパク質(g) | 食塩相当量(g) | |
わらび餅1個(16g) | 27 | 0.7 | ― |
・寒天ゼリー
寒天はその殆どが「食物繊維」です。そのため、タンパク質は殆ど含んでいません。牛乳寒天などは要注意ですが、市販の粉で寒天を作ってフルーツ缶を添えれば、ボリュームもありますし、カリウムも抑えられますね。
<寒天ゼリーの栄養価>
エネルギー(kcal) | タンパク質(g) | 食塩相当量(g) | |
セブンイレブン寒天ゼリーみかん味(250g) | 0 | 0 | 0.1 |
・飴
飴は砂糖のかたまりなので、タンパク質ゼロです。
<飴の栄養価>
エネルギー(kcal) | タンパク質(g) | 食塩相当量(g) | |
パイン飴1粒(4.8g) | 18.7 | 0 | 0.001 |
・水ようかん
1食分で若干1gを超えているものが多いですが、タンパク質は少ない方のお菓子といえます。あずきが豆なので、カリウムが気になるところですが、水ようかんは、あんこを水で薄めているので商品にもよりますが、気にするほどの量ではなさそうです。
<一般的な水ようかんの栄養価>
エネルギー(kcal) | タンパク質(g) | 食塩相当量(g) | |
水ようかん1個(50g) | 37 | 1.7 | ― |
・ういろう
ようかんと似たお菓子で、1食若干1gを超えているものが多いですが、「ういろう」もお勧めです。米粉などに砂糖や湯水を練混ぜて蒸した和菓子であるため、タンパク質が少ないお菓子です。あずきや栗が入っていないシンプルなものを選びましょう。
<ういろうの栄養価>
エネルギー(kcal) | タンパク質(g) | 食塩相当量(g) | |
青柳ういろう しろ1個(50g) | 88.5 | 0.75 | 0.015 |
さてどうだったでしょうか。このようにみると、糖質主体の間食が多いですよね。何で作られているのかに着目することと、栄養成分表示を確認することで少し食べられる食品の幅を広げることができます。
情報提供元:メディカルフードサービス 管理栄養士