腎臓病の治療用特殊食品の使い方

2019.08.28

腎臓病
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腎臓病の食事療法はなかなか大変ですよね。そこで、腎臓病の方がよく使う特殊食品について腎臓病交換表に記載されているものを参考にまとめました。

 

エネルギーアップを目的とした治療用特殊食品

 

エネルギーを補うことを目的とする食品で、エネルギー源が「炭水化物やでんぷん」を主成分とするものと「油脂類」を主成分とするものがあります。タンパク質制限をしているとどうしてもエネルギーが一緒に不足しがちです。エネルギーが不足すると、せっかくタンパク制限がしっかり行うことができていても腎機能が改善されません。そのため、タンパク質を殆ど含まないこれらの食品でエネルギーを補い、十分なエネルギーを確保したうえで食事療法を行いましょう。

 

粉飴

粉あめはでんぷんを分解して得られた甘みの少ない糖分です。砂糖より多く使っても甘みが抑えられているため、エネルギー補給に最適です。ヨーグルトやスイーツに混ぜる、料理で砂糖の代わりに用いるとよいでしょう。

 

中鎖脂肪酸油(MCTオイル・パウダーなど)

エネルギーアップとはいえ、油は摂りすぎるとどうしても胃もたれや太るのではないかと考えてしまいますよね。しかしこれらの油は、中鎖脂肪酸だけを取り出しているため、一般的な植物油と比べて、消化・吸収がよく、短時間でエネルギーになりやすいという特徴があります。そのため多く使っても胃もたれしづらく、体脂肪として蓄積されにくいといわれています。パウダータイプのものもあるため、料理に混ぜるなどして使うこともできます。

 

この他にも「フルーツゼリー」や「クッキー」、「せんべい」などでタンパク質を殆ど含まずエネルギーアップすることができるものもあります。

 

タンパク質調整食品

 

主食のタンパク質含有量を減らすことを目的とする商品です。主食は3食食べるため、合計すると1日で意外にも主食から多くタンパク質を摂っていることが分かります。

 

<主食に含まれるタンパク質量(g)>

主食 1食当たりのタンパク質(g)
ご飯1杯(180g) 4.5g(1日で13.5g)
食パン1枚(6枚切り) 5.6g(1日で16.8g)

 

主食のタンパク質を治療用特殊食品を用いることで節約し、その分をお肉や魚などの良質なタンパク質源からとるようにしましょう。タンパク調整食品には米飯類、麺類、パン類などの種類があります。

 

低タンパク米

ゆめごはん、ピーエルシーごはん、越後ごはんなど

▼低タンパクのパックごはん→通常のご飯の1/5~1/20(それぞれご用意がございます)までタンパク質を減らしたお米です。

▼低タンパクの炊飯米→炊飯用であるため、低タンパク米のでんぷん臭が気になる方は普通のお米と量を調整して使うこともできます。

 

タンパク調整パン

生活日記パン、たんぱく調整食パンなど

▼低タンパクパン→タンパク調整食パン(6枚切り相当)はタンパク質が1枚0.3g!毎朝パン食の方には嬉しい一品です。

 

調味料

 

減タンパク質しょうゆ

減塩しょうゆ以外にも、タンパク質も減らしている醤油があります。腎臓病の方向けの調味料のため、塩分・カリウム・リンの調整もされており、安心して使うことができます。

 

だしわりしょうゆ

市販の減塩しょうゆですと、塩分を減らす代わりにカリウムが添加されているため、腎臓病の方は市販のだしわりしょうゆや自家製のだしでしょうゆを薄めて使うのがオススメです。

 

飲料

 

低リン牛乳

牛乳は「リン」を多く含む飲料であるため、腎臓病の方は控えなければいけない飲み物ですが、低リン乳であれば、安心して飲むことができます。

 

この他にも、カリウムが少ない「果物ジュース」などもあります。一般的なジュースと比較して、エネルギーが補給できるように調整されているものが多いです。

 

さて、どうだったでしょうか。これらの治療用特殊食品を上手く活用し、食事療法の負担を減らしつつ、治療効果を高めていきましょう。

 

腎躁病の方にお勧めなのが、MFSタンパク制限食です。治療用特殊食品やMFSタンパク制限食で食事を豊かに保ちつつ、食事療法で数値改善を目指しましょう。

 

 

 

情報提供元:メディカルフードサービス 管理栄養士

 

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