腸閉塞や大腸がん術後の食事はどうすればいい?
2020.11.16
大腸がんや腸の手術後に生じやすい「腸閉塞」
今回は腸閉塞を起こした後に、食事で気を付けるポイントについてお伝えします。
腸閉塞とは、腸がふさがり食べ物が通らなくなった状態をいいます。詰まった部分に食べ物等が溜まり、腹痛や吐き気を伴うことが多いです。
腸閉塞を起こした後は、また食事が詰まってしまうのではないかと不安ですよね。
腸閉塞や大腸がん術後の食事ポイント
基本的に厳しい食事制限はありませんが、食物繊維の多い食品は控え、消化の良いものを選び、よく噛んで食べるということが基本になります。さっそく細かい食事内容についてみていきましょう。
腸閉塞のときに避けるべき食品
・不溶性食物繊維が多い野菜
*ごぼう、海藻、きのこ、こんにゃく、山菜、セロリ
不溶性食物繊維という水に溶けにくいタイプの食物繊維が多い食品は、水を含んで膨らみやすく、弾力があり、よく噛まないと細かくならないため注意が必要です。あらかじめ小さめに切り調理したり、繊維と直角に切れ込みをいれたりするなど工夫しましょう。
・玄米や雑穀米などのご飯
繊維の多い玄米、麦、雑穀米等の穀類は控え、白米を選びましょう。
・麺
麺はつるっとよく噛まずに飲み込みやすいです。特にそばは繊維が多く、ラーメンは脂質が多く消化が悪いです。麺類は極力控え、食べる場合はよく煮たうどんがお勧めです。
・豆類
豆類の皮は繊維を多く含むため、やわらかく調理し可能であれば皮がない状態でよく噛んで食べましょう。
・ナッツ類やごまなど種実類
ナッツやごまは硬く、調理してもやわらかくならないため、注意が必要です。
・刺激の強い料理
カレーやスパイスをたっぷり効かせた料理など刺激が強い料理は消化の負担になりますし、ガスが発生しやすくなります。
・脂っこい料理
脂身の多い部位のお肉や揚げ物、クリーム、バターをたっぷり使った料理、油を多く使う中華などは脂質を多く含みます。脂質は消化に時間がかかります。消化の悪い食品を多くとると腸がつまりやすくなってしまうので注意しましょう。また、これらを食べる際は消化に配慮し少量にとどめましょう。
腸閉塞のときの食べ方
・一度に大量に食べない
一度にたくさんの量を食べる事で消化しきれずに腸が詰まってしまう恐れもあります。術後すぐや退院後しばらくは、1食を2回に分けるなどし、少量ずつ食べ進めるようにしましょう。
・よく噛んで食べる
ナッツなど硬い食材であっても、よく噛むことができれば絶対食べてはいけないというわけではありません。海藻などもしっかり噛んで飲み込むことができれば良いのです。ただ、海藻のように噛みにくい食材もあるため、そういった食材は避ける方が無難でしょう。
さて、いかがでしたか。まず術後3カ月を目途に食べる料理に気を付けてみましょう。
また、病態は個々人により異なるため、上記の内容がすべての方に該当するわけではありません。必ず主治医の指示に従いましょう。
情報提供元:メディカルフードサービス 管理栄養士