自宅でもできる!高齢者にも食べやすく調理するポイント

2020.04.06

摂食嚥下
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今回は「自宅でもできる」高齢者が食べやすい料理の工夫を紹介します。

介護食ってなんだか自分には作れなさそう…。そんなことはありません。

やわらかさのレベルにもよりますが、食材の選び方や調理のポイントを工夫すれば、誰にでも調理できます。今回はちょっとかたい食材が食べにくくなってきた、噛む力が低下してきた、大きいものが食べにくいような方のお食事を紹介します。

 

主菜の選び方・工夫

 

卵は蒸す

栄養があり、咀嚼・嚥下しやすく、調理しやすい食材といえば「卵」

卵は加熱温度と時間でテクスチャーが異なります。卵料理の中でもっともやわらかいといえるのは温泉卵。温泉卵は黄身、白身ともにやわらかくまとまっています。

お勧めは「蒸し料理」。卵豆腐や茶わん蒸しは、なめらかでとても食べやすい料理です。他にも、炒り卵やオムレツ、卵焼きなども牛乳やだし汁などの水分を加えることでやわらかい仕上がりになります。

 

お肉は下処理でやわらかく

お肉は噛み切りにくく、魚と比べて敬遠しがちになっていませんか。お肉はたんぱく質を多く含むため、加熱により変性が生じ、肉質が締まりかたくなります。そのため、肉繊維を断ち切る下処理を行い、酢やワイン、砂糖などにつけてから加熱することでやわらかく仕上がります。

砂糖?と思った方はすき焼きを思い出してください。お肉、やわらかいですよね。

 

脂肪分の多いお肉や魚を選ぶ

極端な話ですが、豚のバラ肉と鶏のささみではバラ肉の方がやわらかく食べやすいですよね。脂肪の少ない肉・魚はパサつくため、脂のあるものを選びましょう。

 

生で食べる

また、先ほども説明したように、タンパク質は加熱により変性します。そのため、お肉も魚もできるだけ加熱しない方がやわらかいのですが、食中毒防止の観点からはしっかり加熱が必要です。

ただ、生で食べられるものといえば、日本人が大好きな「刺身」は、切れ目を入れる、小さく切るなど工夫をすれば食べられますよね。

 

 

副菜の選び方・工夫

 

やわらかく煮込む

特に野菜の場合、シャキシャキしたキャベツも、茹でることでやわらかくなりますし、かたいだいこんなどの根菜類は隠し包丁をいれて時間をかけて煮ることで、スプーンでつぶせるくらいまでやわらかくすることもできます。ごぼうなどの繊維質の野菜も、繊維を短く断ち切ってから煮ることで、食べやすくなります。

切れ目を入れる時は繊維に直角に包丁を入れましょう。

 

とろみのついたあんかけ風に

例えば、パサパサして食べにくい「いも類」。パサパサしていると飲み込みができず、喉に詰まりやすいです。切る大きさに注意することと、水分を含ませながら煮ること、あとはあんかけで飲み込みしやすくすれば、食べることができますよね。

また、葉菜野菜はやわらかくなりやすい野菜ですが、葉の部分はひらひらしていて、喉にはりつきやすいです。しかし、細かく刻むと今度は口の中でまとまらなくなってしまいます。そんな時にとろみをつけたあんでまとめると良いでしょう。

他にも、パサパサ・ポロポロ・ペラペラしている料理はあんかけ風にすることで、一気に食べやすさがアップします。

 

水分やお吸い物を食事にセット

高齢になると口の中が乾きやすいため、食事をスムーズにさせる役割として水分補給が大切です。また、口の中に残った食物のかすを綺麗にする役割も果たすことができます。飲み込みに不安がある場合はとろみのついた飲み物を用意しましょう。

 

 

 

情報提供元:メディカルフードサービス 管理栄養士

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