早期の脂肪肝は改善できる!すぐ始めるべき5つの食事管理

2021.03.03

脂肪肝
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肝臓に脂肪がたまった状態を「脂肪肝」といいます。

なんと我が国の成人の4人に1人は脂肪肝2人に1人は予備軍ととても身近な病気なのです。放置すると肝硬変や肝癌に進行することから、早めの対策が大変重要です。

 

脂肪肝はお酒を飲まない人や痩せた人でも発症!?

 

肝臓に脂肪がたまった状態を「脂肪肝」といいます。脂肪肝になる原因は様々で、主には「アルコール・肥満・糖尿病」が挙げられます。中でも気になるのは「アルコール」。アルコールは肝臓で分解されます。お酒を飲みすぎると肝臓を悪くするようなイメージがありませんか?

しかし、脂肪肝になってしまった人は皆アルコールを飲んでいたのか…というわけでもないのです。

脂肪肝は「アルコール」も原因になりますが、あまりお酒を飲まない人でも発症します。近年「お酒を飲まないのに脂肪肝」になるケースが増加しているようです。また、同様に脂肪肝は肥満の人がなってしまうイメージがありますが、痩せている人でも発症します。

脂肪肝は放置すると肝硬変から肝がんに進展してしまうケースもあり、進行してしまうと元には戻れないため、早い段階から治療に取り組むことが大切です。

 

脂肪肝を予防・改善するための5つの食事管理

 

1)摂取エネルギー量を見直す

エネルギーを摂りすぎて、運動もなく消費されない場合、中性脂肪として体に溜め込まれます。その脂肪が肝臓にも溜め込まれるのです。そのため、適切なエネルギー摂取が必要です。

 

▼自分の適切なエネルギー量を計算してみよう!

 

・標準体重(kg)×25~35kcal/日=摂取エネルギー量 kcal/日

*標準体重 身長(m)×身長(m)×22

 

例:身長160cmの方の場合

1.6×1.6×22 = 約56kgが標準体重

56kg×25~35kcal/日=1400~1960kcal/日

 

 

ただ、現状が肥満状態で計算したエネルギー量ではあまりに少ない場合は調整が必要です。急激な制限で急激に体重を減少させると脂肪肝の悪化を招来することがあります。体重を落とす必要がある場合は2~3kg/月の減量ペースを目標としましょう。

 

2)糖分・脂肪分の摂り過ぎに注意

糖分や脂肪分を摂りすぎると体内で消費されなかった分は中性脂肪として体内に蓄えられてしまいます。そのため、菓子やジュースなど甘いものや、揚げ物やファストフードなど油分を多く使う料理は控えましょう。

脂質に関しては全体エネルギー量の20%以下が目安です。

例えば1日1600kcalを目標としている場合であれば、脂質は約36g/日以下にする必要があります。大さじ1のサラダ油は脂質約12gとなります。他の食品にも脂質が含まれているため、料理に使う油は大さじ1~2程度になります。

 

3)良質なタンパク質を摂る

タンパク質は肝臓の再生と脂肪分の放出を促すため、しっかりと摂りましょう。朝昼夕の毎食に必ず、主菜となる肉・魚・卵・大豆製品のいずれかを取り入れましょう。

 

4)野菜などから食物繊維を摂取

野菜・きのこ・海藻類は低カロリーなので、食事に満足感を保たせつつ、エネルギー量を減らしていくには欠かせません。また、これらに含まれる「水溶性食物繊維」は余分なコレステロールや中性脂肪を排出するはたらきがあります。小皿や小鉢1~2品は毎食食べるようにしましょう。

 

5)禁酒

アルコールが原因で脂肪肝を発症している場合は「必ず禁酒」してください。アルコールが原因でない場合も「禁酒が望ましい」です。

 

さて、いかがでしたか。脂肪肝といっても特別な食事療法を行うのではなく、上記のように肥満の方は適正エネルギー量の摂取を行い、体重を減少させていくことが最優先事項です。その上でバランスに気を付けた食事を摂っていきます。

また、糖尿病などの他疾患がある場合は、その疾患の食事療法に準じて食事管理をしていきましょう。

これら5つの食事管理を行い、脂肪肝の改善を目指しましょう。

 

 
▼脂肪肝の方は「カロリー制限食」でのエネルギー管理!

 

 

 

情報提供元:メディカルフードサービス 管理栄養士

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