脂質制限!膵臓に負担をかけない食事

2019.11.08

膵炎
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膵炎は大きく分けて「急性膵炎」と「慢性膵炎」があります。膵炎になる原因としてアルコール多飲、胆石症、突発的に生じることなどが挙げられます。今回は膵炎になってしまったときの食事についてお話します。

 

膵臓のはたらきと負担をかけない食事

 

膵炎の食事療法は、激しい痛みがある急性期では絶飲食で輸液管理、重湯から全粥食に徐々に移行する食事の回復期、安定期などと病期にもよりますが、共通項として「消化に配慮する」ことが挙げられます。

膵臓は「リパーゼ」という脂質を消化する消化酵素を分泌します。そのため、脂肪分が多い食事を摂ると膵臓が頑張って消化酵素を分泌しなくてはいけません。

慢性膵炎では脂肪便(便器に油が浮くような便)がみられることがあります。これは消化酵素の分泌能が低下し、脂質の消化不良により現れる症状です。

これらのことからも分かるように膵炎になってしまったら、膵臓を休めるために、脂肪分が多い食事や消化液が多く分泌される食品を控えることが大切です。(制限の程度は病態や症状によって異なります。主治医にご確認ください)

 

膵炎の食事療法の原則

 

それでは具体的にどのような食事を摂れば良いのでしょうか。膵炎の食事療法の原則として6つの原則が挙げられます。

 

1、脂質を控える

揚げ物やお肉でも脂身など脂肪分を多く含む部位は控えましょう。脂質を制限するため、糖質やタンパク質で主にエネルギーを摂っていく必要があります。

 

2、消化の良い食品を選ぶ

不溶性食物繊維が多い野菜(例えばごぼうやれんこんなど)は消化に負担がかかるため、よく噛む・小さく切る・控えるようにしましょう。

 

3、刺激物を控える

香辛料やカフェインなどは胃に刺激を与え膵臓にも負担をかけます。また、塩分が多い食事なども負担になります。

 

4、脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)を摂る

脂質を制限すると脂溶性ビタミンが不足してしまうため、脂溶性ビタミンを多く含む緑黄色野菜を積極的に摂取しましょう。

 

5、煮る、蒸す、茹でる調理方法を

揚げる、炒めるなどの調理法では油を使うため、油を使わない調理法を選びましょう。また、茹でることで少々脂質を減らすことができます。

 

6、3食規則正しく食べる

消化液を分泌するタイミングがバラバラ、分泌量が多かったり少なかったりすると負担がかかります。理想は3食同じ量、同じ間隔で食べることです。

 

 

<膵炎に適した食品・気を付ける食品>

分類 適している食品 気をつける食品
主食 お粥、軟飯、煮込みうどん 玄米、そば
魚介類 白身魚、鮭、はんぺん 脂肪の多い魚、いか、たこ、貝類、刺身
肉類 鶏肉(ささみなど)、ヒレ肉 バラ肉、皮つき肉、ハム、ウインナー
 
乳製品 低脂肪乳 牛乳
大豆製品 豆腐 油揚げ
野菜 ほうれん草、にんじん、かぼちゃ、大根、じゃがいもなど… ごぼう、たけのこ、れんこん、海藻、きのこ、アボカドなど…
果物 果物缶 ドライフルーツ
菓子類 蒸しパン、カステラ、飴、和菓子(脂質が比較的少ない) 洋菓子
飲み物   アルコール、炭酸飲料、コーヒー
その他 ジャム、はちみつ、果汁 カップラーメン、カレー

 

症状が安定しており、「気をつける食品」でどうしても食べたいものがあれば、体調をみながら少量ずつ試してみましょう。

膵炎になったら一概に脂質が多い食品を食べてはいけないというわけではありません。痛みが強いときはしっかりとした脂質制限が必要ですし、症状が安定していれば、痛みが激しいときと同じような食事制限をする必要はありません。

ただ、安定しているからといって揚げ物をたくさん食べていいかというとそういうわけではありませんが・・・

詳しくは個々の症状や病態によって異なるため、主治医に相談しましょう。

 

MFSカロリー制限食はお肉などは脂肪の少ない部位を使用、脂質は1食あたり9g前後と比較的抑えられているお食事です。ただ、脂質制限に特化しているお食事ではありませんので、脂質に配慮する必要があるけれども、症状が安定している方にお勧めです。また、MFSやわらか食はやわらかいお食事ですので消化がよく、脂質は1食あたり平均7gとなっています。お試しセットは平日15時までのご注文で当日発送!すぐに食事が必要という方にオススメです。

 
 

 

 

 

 

情報提供元:メディカルフードサービス 管理栄養士

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