タンパク制限中の朝食は何を食べたら良い?ー1日タンパク50gの場合ー
2021.02.23
「タンパク制限のお弁当を食べているが、それ以外の食事はどう摂ったらいいの?」
今回はこの質問に対して管理栄養士が回答致します。
食事は1食1食のバランスも大切ですが、1日単位で〇gと制限が出されることが一般的なので、“1日”のトータルで考えることがより重要であるため、「朝食」もしっかり考えて摂りたいですよね。
健康うちごはんではタンパク制限の宅配食をご用意していますが、1日1食や2食でご利用いただいている方から、朝食をどうすれば良いのか分からないというお問合せを多くいただきます。
タンパク質〇gといわれてもなかなかピンとくる方は少ないと思います。食事は毎日のことなので、悩んでしまいますよね。
今回はそのような方のために悩まずに朝食のメニューを考えられるように、タンパク制限食の朝食例と献立を考える時のポイントや考え方を紹介します。これを読めばあなたも「簡単に」朝食の献立を考えられるようになりますよ!
タンパク質50g/日の場合の朝食例(腎臓病食)
1日のタンパク質制限が「50g」の場合の朝食例を考えました。朝食はパン派・ごはん派と分かれるかと思いますので2通り紹介します。
パン食の腎臓病朝食例
・食パン6枚切り1枚 (約5.7g)
・プレスハム1枚(約2.0g)
・スライスチーズ(約3.2g)
・野菜ソテー(ピーマン1個(約0.2g)/にんじん15g(約0.1g)/キャベツ20g(約0.1g)等)
合計11.3g
※(太字)がタンパク質量
パンにプレスハムやチーズをのせて、野菜ソテーをつけると大体タンパク質が11g程度になります。ハムやチーズの代わりに、パンにはジャムを塗り、R-1ヨーグルトなど小さいカップのヨーグルト(約3~4g)を食べるでも良いですね。
カリウムが気になる場合は湯がいた野菜を炒めることで多少はカリウムを減らすことができます。
ご飯食の腎臓病朝食例
・ご飯お茶碗1杯150g(約3.8g)
・目玉焼き(卵1個(約6.0g)等)
・お味噌汁(みそ約10g(約1.3g),だいこん40g(約0.2g)/油揚げ1/4枚(約1.3g))
合計12.6g
※(太字)がタンパク質量
ご飯にお味噌汁、卵1個で目玉焼きやスクランブルエッグ、卵焼きなどを食べるとタンパク質は12g程度になります。先程のパン食の献立をみても野菜に含まれるタンパク質はごく少量ですし、好きな野菜でお味噌汁を作って頂いて問題ないでしょう。汁椀に入る程度の野菜量でしたらカリウムもさほど気にしなくても良い量といえるでしょう。
このように見ると、肉やチーズ、卵などの食材は少量でもタンパク質が多いですね。比較して野菜類はタンパク質が少ないですよね。にんじんなどは1本食べてもタンパク質は約0.8g程度です。
タンパク制限の食事を考える上で、一番気にするべきは「肉・魚・卵・大豆製品」などタンパク質が多い食品を重複摂取しないことです。これらの食品の量をある程度守っていれば、タンパク質の摂りすぎにはつながりにくいといえるでしょう。
タンパク制限食の朝食献立を考える時のポイント
先程の献立例を参考に、具体的にどのくらいのグラムで朝食を摂ればよいのでしょうか。
タンパク質を多く含む食品の量に気を付けて、健康うちごはんの「タンパク制限食A」を昼・夜に食べると・・・※タンパク制限食Aは健康うちごはんでご用意している宅配食になります。
朝食:パン食 タンパク質11.3g
昼食:ご飯150g(タンパク3.8g)+タンパク制限食A(タンパク16g) タンパク質19.8g
夕食:ご飯150g(タンパク3.8g)+タンパク制限食A(タンパク16g) タンパク質19.8g
1日合計タンパク質50.9g
このように調整ができます。1日の制限量が50gよりも少ない方の場合は、1食あたりのタンパク質が約9gとなっているタンパク制限食BorCコースを選択しましょう。
もしくは「ご飯(150g)」を「低タンパク米」に変えるとその分のタンパク質がカットできます。
知っているとラク!朝食で使う食品のタンパク質目安量
タンパク質を朝食で10~13g、昼と夜で20gずつ摂れば1日で50g~53g程度
このように摂取量を調整すれば1日のタンパク質摂取量は簡単に管理することができます。
朝・昼・夜と食事ごとの合計量は分かってきましたが、具体的にどのような食材をどれくらい摂っていけば良いのでしょうか。
毎日同じものを食べるわけにはいかないので、ご自身で献立が考えられるようにどのような食材をどれくらい摂ればよいのかを把握しましょう。
【タンパク質50g/日の場合】
・ご飯やパンの主食のタンパク質量4~5g程度
・野菜や調味料などのタンパク質量1g程度
そうすると・・・
「肉・魚・卵・大豆製品」からはタンパク質を6~9g程度!
今回は分かりやすい単位でタンパク質「6g」の食材量をまとめました。
・卵1個
・鮭切り身1/2
・ウインナー約3本
・プレスハム約3枚
・牛乳コップ1杯180ml
・豆腐90g(約1/3丁)
・納豆40g(1パック相当)
これらの食品を組み合わせる・もしくは単品でタンパク質が6~9g程度になるように調整するとタンパク質量が把握しやすいでしょう。少しイメージがついてきましたか?
日々の食事を細かく栄養価計算するのは、正確に食事療法を行う上でとても大切ですが、食事は毎日のことなので、あまりに細かく気にしすぎると食事療法自体が続けられなくなってしまいます。紹介したように主なタンパク質源となる食品の量を気にしてみることだけで、大崩れしない食事療法を行うことができます。
食事療法に慣れていない・初めてだ・疲れてきたという場合はこのように調整してみてください。